前回に続いて,アメリカにいたときのアパート生活の一端をご紹介します。

アパートには無事入居でき,すぐに新学期が始まりました。新学期は社会人の移動の季節でもあり,アパート全体でパーティーがありました。このアパートは十棟ぐらいある大きなもので,真ん中にプールとフィットネス・クラブがあり,プールサイドでパーティーが開かれました。パーティーに出てみると,中国人などのアジア人がかなり住んでいることがわかりました。中国は世界最大の人口を持つだけに流石だと実感しました。

このアパートは大きいので,全体の入り口に警備員が二十四時間待機していました。電球の交換やトイレが流れないといった苦情も,サービスの人が日中に処理してくれました。冬には,雪が積もって雪掻きが大変らしいのですが,これもしてくれました。故障で驚いたのは,真冬にエアコンの室外機から煙が出てきたことでした。煙は室内まで入ってきて,夜になっていましたが,すぐに修理してくれました。この程度の故障はよくあるようで,サービスの人は丁寧に説明してくれました。

苦情といえば,夕刻に警察が「ガソリン代を十ドル払え」とアパートに訪ねてきたことがあります。アメリカのガソリンスタンドはセルフサービスのところがほとんどで,クレジットカードで支払いもできます。機械の操作が上手く出来なかったのかと思い,「どこのガソリンスタンドか」と聞くと,一度も行ったことがないところでした。身に覚えがないので,そのガソリンスタンドまで行ってきましたが,アルバイトの人で要領を得ません。そこで電話番号を知らせておきましたが,何の連絡もなく,やはり人違いだったようです。

アメリカ人は体が大きく,制服姿の警官にやって来られると圧倒されてしまいます。このときは,何事も経験だと思って十ドルぐらい惜しくはありませんでしたが,ガソリンスタンドまで行ってきました。今思えば随分暇なことをしましたが,なんとなくアメリカ人の気質に触れた気がします。