福岡大学大学院工学研究科 資源循環・環境工学専攻
柳橋研究室

研究内容

研究内容

中国の湖沼の水環境保全対策に関する研究
中国の環境汚染はどの程度なのだろうか。日本の状況と比較するとわかりやすいかもしれない。そう考え、中国における湖沼の水環境の状況を調べ、日本と比較しました。また、中国では、汚れた湖沼の水質を改善するため、他の水域から清浄な水を導水することが盛んに行われています。その状況を調査しました。
貯水槽水道の災害時に活用に関する研究
貯水槽は全国で約100万施設あります。水を貯めると水質が悪くなる可能性があるため、貯水槽に水を貯めずに直結型の増圧ポンプで各部屋に給水する方式も普及し始めていますが、2018年と2020年に災害時に貯水槽に貯まった水を活用できるのではないかという公的なレポートが出されました。地域における貯水槽水道の災害時の活用方策について研究を行っています。
生活空間における大気中微小粒子状物質(PM2.5)の実態に関する研究
PM2.5による大気汚染は世界的に問題となっています。新型コロナウイルスによる感染症を重症化させるという報告も出ています。日本では2009年に環境基準が設定されて以降、地方自治体において常時監視が行われてきており、ネット上で環境省の「それまめ君」というシステムを使って速報されていますが、隣接する観測局の測定値を見比べると、傾向は似ているものの大きな差がみられ、測定局がない場所でどのような値が出るのか誰もわかりません。そこで、可搬式の測定器を活用して、様々な生活空間におけるPM2.5の実態を探っています。
においの測定方法の統一に関する研究
悪臭防止法では、臭い物質の濃度による規制の他に、人の鼻で無臭の空気・水で何倍薄めると臭いがなくなるかを測る嗅覚測定法(三点比較法)による規制が行われています。ただし、その嗅覚測定法が統一されておらず、同じ試料で違う結果が出てしまいます。これでは、適切な規制が行われているとは言えません。理論的・実験的な方法を用いて、嗅覚測定法を統一するための研究を行っています。実は、この研究は、学生時代から40年近く続けており、昨年、新たな概念を考案し、学会で発表したところ、大きな反響がありました。この研究は、福岡女子大学との共同で進めています。