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- AIを用いたコンクリート診断に関する研究
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- 背景
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コンクリートは幅広く使われている建材です。しかし、時間とともに劣化するため、今まで数多くの事故を起こしました。事故防止のためコンクリート内部の劣化状況を把握することが重要です。コンクリートを破壊せずに内部の状況を調べるテクニックとして、電磁波の利用が注目されています。
コンクリートに電波を当て、その散乱波を観測します。散乱波の波形はコンクリート内部の比誘電率の分布によって異なります。このことを逆に利用し、観測した散乱波形からコンクリート内部の比誘電率分布を推定することが可能です。比誘電率の分布がわかれば、どのような物質で構成されているかは検討がつきます。
しかし、内部構造が複雑な場合、散乱波形と比誘電率の関係を解析するのが難しいです。そこで、画像・パターン認識の分野で活躍しているAIを導入し、散乱波形から比誘電率を「識別」することを検討します。様々な「散乱波形」とそれに対応する「比誘電率分布」を教師データとしてAIに学習させると、AIは自動的に波形の特徴を抽出して比誘電率の大きさに結びつけます。このように学習したAIは、診断したい壁の散乱波形を入力すると、直ちに壁の比誘電率を示すことができます。
- 内容
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本研究では「コンクリート壁」を層状媒質と見なし、当研究室で開発した電波散乱シミュレータと簡単なAIウェブアプリを用いて研究を進めます。
まず、比誘電率分布をインプットした電波散乱シミュレータで、散乱波のデータをたくさん集めます。次に、Excelで簡単なAIを作成し、機械学習の仕組みを理解します。その後、集めた散乱波のデータを教師データとして、AIアプリに代入して学習を行います。最後に、訓練したAIを用いて未知のコンクリート壁の比誘電率の推定実験を行い、AIの動作を検証します。これらの過程で「データ駆動」というAIの考え方や「誤差逆伝搬法」と呼ばれるAIの学習手法などを理解します。また、発表会を通してプレゼンのテクニックも習得します。
- ゼミで展開する主なサブテーマ
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- コンクリート診断に関する情報収集
- コンクリート壁の1層モデルの散乱特性と比誘電率推定
- コンクリート壁の2層モデルの散乱特性と比誘電率推定
- AIとディープラーニングについて
- 単純パーセプトロンの体験と学習の仕組み
- 活性化関数とその効果
- 中間発表
- 誤差の逆伝搬法とディープラーニング
- ニューラルネットワークを用いた比誘電率分布推定実験
- 卒研発表会
- 得られる知識・技能
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情報収集・データ分析・Excelの活用術・ニューラルネットワークの仕組み・機械学習のポイント・実験による検証・問題解決の考え方・プレゼン・論文作成
- 強化学習を用いた自動運転技術に関する研究
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- 背景
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強化学習(Reinforcement Learning, RL)はディープラーニング(Deep Learning, DL)と並べて人工知能(AI)を支える2つの技術です。DLは音声・画像認識など威力を発揮しているが、RLはロボットや自動制御分野で大活躍しています。外科手術から建設施工図の作製、プラント制御、半導体やEVの設計まで、開発が急がれています。そのため、AI人材の育成が重要視されており、「大学定員別枠で」という声まで上がっています。
- 内容
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まずはWebアプリ開発に必要なhtml・Javascript言語を0から学習します。次に簡単な迷路ゲームを通して方策勾配法・Sarsa法・Q学習法など強化学習の知識を習得します。最後に自動運転技術をカーレースゲームに実装する。また、発表会を通してプレゼンのテクニックも習得します。学習に情熱と努力が必要です。
- ゼミで展開する主なサブテーマ
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- Html言語とホームページ作製
- Javascript言語とプログラムの基本
- 簡単な迷路ゲーム
- 方策勾配法で迷路を攻略
- Sarsa法で学習を効率的に
- 中間発表
- カーレースゲームの開発Ⅰ:マップとコース
- カーレースゲームの開発Ⅱ:車の制作とLiDAR(距離センサー)の取付
- カーレースゲームの開発Ⅲ:強化学習で自動運転
- 卒研発表会
- 得られる知識・技能
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情報収集・Webページ制作・プログラミングの基本・Webアプリに欠かせない画像・ボタンの利用とアニメの仕組みと制御、強化学習の仕組みとテクニック・問題解決の考え方・プレゼン・論文作成
- シミュレーションプログラムの開発
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- 背景
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Pythonはプログラムがシンプルで、勉強しやすい言語です。また、無料で使えるライブラリが豊富なので、データ分析やアプリ開発、人工知能などで活躍しています。本テーマでは、Pythonを使って、力学や電気など身の回りの現象を計算、可視化することを検討します。
- 内容
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Pythonの基礎から学習をスタートし、科学技術計算でよく使われるライブラリNumPyとMatplotlibの使い方を習得します。これらのテクニックを応用し、簡単な力学シミュレーション、一次元と二次元の電界シミュレーションを開発します。プログラム開発を通して、プログラミングの考え方を習得してほしいと思います。また、発表会を通してプレゼンのテクニックも習得します。
- ゼミで展開する主なサブテーマ
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- シミュレーションに関する調査
- Pythonの基礎
- NumPyを用いた数値計算
- Matplotlibを用いた可視化
- 力学シミュレーションの開発
- 中間発表
- 電磁界解析の基礎
- 一次元電界シミュレーションの開発
- 二次元電界シミュレーションの開発
- 卒研発表会
- 得られる知識・技能
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Pythonの基礎・数値解析の基礎・情報収集・データ分析・問題解決の考え方・プレゼン・論文作成
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