GREETING
ご挨拶
本研究は、ディリクレ形式と対応するマルコフ過程の理論および最適輸送理論に基づき、曲率の下限概念を伴った測度距離空間上の解析学および幾何学を構築することを目指します。応用として多様体学習といった人工知能・機械学習などを適用範囲として視野にいれています。
この測度距離空間上の解析学は、ディリクレ形式とマルコフ過程の理論を土台に構築するものであり、土台となる空間の曲率の下限概念とその上のマルコフ過程があればリーマン多様体といった有限次元の空間のみならず相互作用のある無限粒子系といった無限次元の空間まで視野にはいった幅広いものです。
研究対象は断面曲率が下に有界な完備リーマン多様体の一般化であるアレキサンドロフ空間からリッチ曲率が下に有界な完備リーマン多様体の一般化であるRCD空間といった最適輸送理論の発展に伴って構成された空間概念のみならず、より一般に曲率が下に有界の概念をもつディリクレ形式から決まる測度距離空間といった無限次元空間をも内包する枠組みの中での空間を研究対象として視野にいれています。
また、これらの枠組みに入ってこない劣リーマン多様体やある種の無限次元空間を内包する枠組みの構築とその解明も研究目標として目指します。
本研究は、以上の課題を分担者の塩谷隆氏(東北大学)、太田慎一氏(大阪大学)、石渡聡氏(山形大学)、櫻井陽平氏(埼玉大学)、江崎翔太氏(大分大学)と、また連携研究者として本多正平氏(東京大学)、高津飛鳥氏(東京大学)、北別府悠氏(熊本大学)と共に解明していきます。
研究チームを代表して
桑江一洋(福岡大学・理学部)