教授挨拶

臨床疾患薬理学研究室 教授 岩崎克典

 当研究室は、臨床に直結した先端薬理学を推進することを掲げて1985年に開設された福岡大学薬学部の中では比較的歴史の浅い教室です。しかしながら開設35周年を経て、教室を巣立った多くの若者達が医療の第一線で活躍し教室の名前を有名にしてくれていることも事実です。現在は、高齢化社会の中で認知症をはじめとする難治性疾患に立ち向かうために、疾患の先端研究と予防医学的知識を集結し、学際的な研究を推進することを目標に研究を進めています。特に着任以来30年以上にわたり推進してきました「漢方を科学する」研究は、東洋医学と西洋医学を最先端の現代科学で融合させ、漢方薬の分かりやすい適正使用に大きく貢献してきました。全国の薬学部の中でエビデンスベイスト漢方をやっている唯一の研究室として、「抑肝散」の認知症への応用など、温故知新の現代板で教室を盛り上げています。これからも、創薬を目指す研究者の養成はもちろんのことですが、将来疾患に対して薬物治療の専門家として医師と対等以上に活躍できる薬剤師養成を目指して教育・研究を推進していく所存です。

今、福大薬学生が求められていること
 福岡大学薬学部は、九州管内で最も歴史の古い私立大学薬学部で、国立大学薬学部出身者と異なり、多くの薬剤師を輩出してきています。国立大学病院薬剤部をはじめとして多くの薬剤部のリーダーには福大出身者が多くいます。学生は、薬剤師免許をとるためだけではなく、医師と対等に疾患に立ち向かうワンランク上の薬剤師になって欲しいものです。研究・教育の世界でも、臨床を知る薬剤師として時代の先端を走って欲しいです。

今、福大薬学生がすべきこと
 6年間の薬学教育を有意義にこなし、コミュニケーション、人間関係、そして高度な薬学を身につけましょう。そのためには集中力をもって勉学に取り組み時間を有効に使うことが大事です。命に関わる職業に就くことを常に自身に言い聞かせて過ごしましょう。リーダーたる高度薬剤師を目指して、大学院進学を早い時期から考えるのも1つです。福大生よ!青春まっただ中、時間を有効に使って他との差をつけよう。

令和2年6月 ホームページ新規更新にあたって