天然物抽出
水溶性βグルカン
キノコに多く含まれるβグルカンには、抗腫瘍活性を持つものがあります（医薬品としては認可されていませんので注意してください）。ただし、水に溶けにくいため、活性を上げるには工夫が必要です。
そこで、水可溶なβグルカンを得るために、若干熱加水分解を与えて素早く抽出する方法を検討しています。
- マキネッタ抽出法による水可溶性βグルカンの調製
- βグルカンの生理活性
各種天然物の高温抽出と熱分解
100℃以上の熱水を使うと、抽出効率は上昇します。しかし一方で、熱分解や熱重合も併発します。これを少しでも避けるには、抽出されると瞬時に反応器から取り出し、温度を下げることが有効です。そこで、エスプレッソコーヒーを作る時に用いられるマキネッタ抽出法の適用を検討しています。
また、量子化学に基づく計算化学の手法を用い、実験では調べにくい化学反応をコンピュータシミュレーションによって解析しています。
- 樹皮からの高活性タンニンの抽出
- ベルベリン、グリチルリチンの抽出
- 計算化学による熱分解過程の解析
研究成果
| 学会発表 | 重松幹二、行武寛之、小栁諒輔、大橋 大、植山明彦、藤澤信太郎、正本博士、大賀祥治、三島健一、亀井一郎 マキネッタ法による生理活性物質の高圧熱水抽出とその活性 第19回日本木材学会九州支部大会（宮崎）p.37-38 (2012.8) |
|---|---|
| 学会発表 | 山田裕雅、正本博士、重松幹二 マキネッタ抽出によるタンニンのタンパク質吸着特性 第48回化学関連支部合同九州大会(北九州) p.182 (2011.7) |
| 学会発表 | Ohashi, D., Yamada, H., Doumen, M., Masamoto, H., Shigematsu, M.
Application of a macchinetta extractor to the effective extraction of various natural constituents The 23rd International Symposium on Chemical Engineering (Fukuoka) PF-08 (2010.12) |
| 学会発表 | 大橋大、馬場康徳、山口真幸、重松幹二、正本博士、大賀祥治、亀井一郎 マキネッタ抽出法を用いた菌糸体からの水可溶性β-1,3グルカン抽出 第17回日本木材学会九州支部大会（福岡）p.45-46 (2010.08) |
| 学会発表 | 伊藤義隆、北岡秀和、山田篤史、正本博士、重松幹二
亜臨界水におけるセロビオース及びバイオマスの加水分解と熱変性 第60回日本木材学会大会（宮崎）PP009 (2010.03) |
| 学術論文 | Shigematsu, M., Chuman, R., Mizuki, Y., Masamoto, H. Application of a macchinetta extractor to solubilize β-1,3 glucan in water Transactions of the Materials Research Society of Japan 33(4) 1189-1192 (2008). |
| 学会発表 | 徳満圭祐、石井圭、正本博士、重松幹二、光永徹
カテキン類の熱変性に対する計算化学解析 第52回リグニン討論会（宇都宮）p.160-161 (2007.10) |
