福岡大学 理学部 物理科学科 端山研究室

SETI 地球外文明探査

我々は孤独なのだろうか?ーAre we alone?ー

 天文学は紀元前2000年ころ、農耕社会に入った人類が、自分たちの生命を繋げるために暦を作ることから始まった。それが現在では人類が獲得した科学技術を駆使して、我々の生活のためだけでなく、我々が住んでいる宇宙を理解するという知的好奇心を込めて観測を進めるに至っている。その好奇心の根源には、我々人類の生命はどこから来たのか?宇宙には、我々人類と同様な隣人はいるのだろうか?ということを知りたいという願いがある。近年地球と同じような、生命を育めるような惑星(ハビタブル惑星)が存在するかを探す観測が多くなされ、いくつものハビタブル惑星と思われる惑星が発見されている。そうした発見を受けて、疑問が次々と湧いてくる:ハビタブル惑星に、実際に生命体が誕生している可能性はあるのか?さらに、その中には高度な文明を持つ生命が存在するする惑星はあるのか?もし地球外文明が存在するならば、彼らと交信することは可能なのか?

 一方で、地球外文明を探すことは、文明がどのくらい長続きするのか?ということに強く関わってくる。文明がすぐに終わってしまうものであれば、その文明から来る信号の期間が短くなってしまうということであるからである。つまりそれは、転じて我々人類の文明はどのくらい長続きすることができるのか?という哲学的な問いかけになるのである。哲学的な問いかけに観測で応えるといっても良いだろう。

 いま、世界の国々が力を合わせて建設を計画している電波望遠鏡SKA(Square Kilometer Array)のサイエンスターゲットの一つが知的生命体探査(SETI, Search for Extraterrestrial Intelligence)である。日本もSKA参加に向けて準備を進めており、国立天文台の電波望遠鏡VERAが、SKAパスファインダーになる計画が進められている。

 当研究室では、重力波検出で培った高度な微小信号検出技術を応用して、SETIの研究を進めています。この研究には、従来のサイエンスの枠組み・偏見から脱却して、新しいサイエンスを創る研究という側面があります。また、生命科学、哲学といった学問にも深く関わっており、分野横断的に進められていく研究でもあります。

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